見てきました。

もう一杯!

映画「笑の大学
今日見てきました。
終わってから、どうブログに書くかな・・・けっこうそればかり考えていた。
結論から言うと
舞台は越えられなかった。
と思う。
正直にいうと、見る前のブログで少々きついこと書いたし(11月4日のブログにて)、
私は舞台の「笑の大学」を愛しすぎてるから、
公正な目で見ることが出来ないだろうな・・・
そこで今回の映画は、「意識して」好意的に見よう。そう思っていた。
で、始まった映画。
もちろん、楽しい映画か?と聞かれれば間違いなくいい映画だとはこたえたい。
以前、
竜馬の妻とその夫と愛人
舞台が映画化されたが、これに比べるとかなりよかったと思う。
と、いうのも、「竜馬〜」もナマの舞台を見たのだけど、これが底抜けに面白かった。
一方映画は普通の映画で、コメディとしてみたときには不満だった、というかもはやコメディではなかった・・・
あのときの舞台と映画の格差に比べれば
今回の笑の大学はかなり舞台の面白さに近づけていたとは思った。
さらに映画ならではのよい点ももちろんあった。
まずは音楽。本間さんのかっこいい音楽で盛り上がる。浅草の音楽も昔ならではの雰囲気たっぷりでよかった。音楽の緩急にも凝っていた。
テーマ曲はほんといい感じ!!是非サントラを購入したいと思う。
(ただ、音楽による演出が過剰に感じた部分もところどころあったことは事実ですが・・・)
そして浅草のシーン。
古きよき日本、って言う感じで映像としてきれいだった。
着物好きの私としては、浅草シーンの着物に目がいったりして・・・
「石川三十五衛門」、五右衛門の7倍手ごわい三十五衛門。
石川三十五衛門の旗がはためいている最初のシーンで思わず笑みがこぼれる・・・
青空貫太、アオカンの旗にもこころが踊った・・・
また、小道具も凝ってた。検閲官のはんこや赤紙、ポスターなど、映像の強みを感じた。
舞台では場面が変わらないが
映画では浅草シーン、廊下シーン、などいままで想像していた場面が映像化される、当たり前だけど・・・
そうそう、廊下シーン「ほっぺにチュウさせてください!!」
これは映画の方がよかったかもしれない・・・
舞台では取り調べ室であの会話がなされる
「椿さん・・・誰かに聞かれると困るようなこと(は言わないでください)・・・」
という台詞があるが、舞台では近くに人がいないが
今回映画では人がいたことで面白みが増していたと思う。
いっぽう
「おでこにチュウさせてください!!」
これは西村さんが向坂の方が絶対面白い!!なぜって?・・・わかりますよね?・・・
もぎりのおばちゃん。これも映画の方がよかった点。あのキャラこすぎ・・・

それでも舞台がよかったと感じるのは、まずは笑いの回数。
圧倒的に舞台の方が笑った。
少なくとも喜劇である以上、より笑えたほうを私は評価したい。
舞台では笑えた台詞が、笑えなくなっていたものが多かった。
(これも笑える台詞だったのにぃ!むきーーとなりながら見たシーンが多かった・・・)
とくに最後の向坂の「大好きなんだぁーー!!」
これはもう、ぜんぜん笑えなかった。舞台ではあんなに笑えたのに・・・映画ではしんみりしてしまった・・・
映画の終盤で観客は感動モード・・・最後の廊下シーンはただ重いだけ・・・
舞台では重い後、またどっかんどっかん笑え、希望を感じさせ、幕が閉じた。
今回は、感動モードでもの悲しく終了。
それはそれでかっこいいのかもしれないけど・・・
(ただ、舞台では最後にまた台本直しに取り組む二人・・・いまこの時間だけは喜劇づくりに没頭できる・・・その姿がせつなくも悲しくもある・・・今回はそういう意味でストレートに戦時の辛さを表現していると思う・・・良いか悪いかは評価が分かれるところだろうけど・・・私は舞台の終わり方の方が好きだけど)
また、出演者の演技。
役所さんの演技、途中までは西村雅彦さんの向坂にそっくり。
台詞回しから間の取り方まで。
ちょっと影響されすぎでは・・・思いながら見た(なので世間的には役所さんの演技をべた褒めですが、ちょっと納得いかない・・・パクリじゃないのか、いいのかそれで?と思ってしまう・・・)。
一方、稲垣さん、彼は近藤さんの椿には似ていなかった(この人舞台のビデオも見ていないのかな・・・そう思いながら見ていた)。
なので、私は始め稲垣さんのほうをかっていた。
が、さすがに途中からは、役所さんの「向坂」を感じることが出来た。
西村さんと違う向坂像が出始めると、
反比例するかのように、稲垣さんの演技が気になりだす・・・
役所さんにおされ気味というかなんというか、どうもバランスが悪い気がして・・・
あつい役所さんの演技に冷や水をかける稲垣さん・・・ちょっとそれは・・・思いながら見た。
事実、役所さんの向坂ではまだ笑える箇所があったが、稲垣さんの椿で笑ったところはなかった。近藤さんのときはお宮さんのシーンでもすっごく笑えたのに、映画ではあのお宮はまったく笑えなかった。
(っていうか稲垣さんに限らず、お宮シーンはちょっとひどいと思う・・・台詞がさらっと流れすぎてて面白くなくなっていた・・・二人の掛け合いが掛け合いになってなかったと思う・・・猿股失敬・・・いままで張ってきた伏線が、いままで面白くなかった猿股が、あそこで大爆発すべきなのに・・・)
さらに一言いえば、稲垣さん滑舌悪すぎ・・・聞き取りづらい・・・
稲垣さんの芝居で話に入り込めず、
「役所さんも大変だなぁ・・・よくキレないよなぁ・・・」
妙に同情してしまったりもした・・・(稲垣さんFanのかたすみません・・・)
確かに私は「笑の大学」を台詞暗記するほど見ている
コメディは何度も見るほど色あせるものだけど。落ちも先読みしちゃうし・・・
でも、舞台を見たときもすでに台詞は暗記していた
今回はより映画を楽しむため、ビデオを見ないようにしていた。
ので舞台のときと、映画の今回
新鮮さという点では変わらないか、今回の方が久々に見た笑の大学であったと思う・・・
ちなみに今回、両親と夫と4人で見に行った。
両親と私はナマの舞台を見た。NHKの収録も見ている。
夫はナマの舞台は見たことないが、NHKの収録ビデオをかつて見せたことがある。
両親と舞台に行ったときは、ともかく笑えて、
父も、はっきり言って迷惑なくらい笑っていた。
その父、今回一度も笑わず・・・
母と夫は時々居眠り・・・・
見終わった後も父は明らかに不満顔・・・
母は役所が見れてそれだけで満足らしいが、それでも「舞台ほどの感動はなかったね・・・」そう言っていた
「あのひとは役所が見れればそれだけで満足な人ですから・・・」
(「あのひとはさるまた失敬と座布団回しがやれればそれで満足なひとですから・・・」BY 椿;ちなみにこの台詞も近藤さんの方がよかった・・・・)
「笑い」ということだけを評価の基準にさせてもらえば、舞台には及ばなかった。
浅草シーンほか、演出でみせる今回の映画・・・
その分、カットされた台詞が多かった
しょっぱなから「むさし」のシーンはなくなっているし、
「ぴーちゃん」も出てこない。
再演での「ぽんぽこ島」もないし、
っていうかそもそも椿の笑いが大切だというエピソードもカット。
あれは確かにそんなに笑えない話だけど、
あの台詞があったほうが椿の笑いにかける熱意というか、椿像が掘り下げられたと思うのだけど・・・
最後の下ネタもないし、・・・・
「大河原」のシーンも再演に比べるとカットがあった。
映像ならではのかっこよさはあり、映画として印象的なシーンは多々あった。
舞台は一場面、暗い部屋と机のイメージだ。
それでも舞台の衝撃は越えられなかったと思う。
あの舞台を淡々と、奇をてらわずに収録したあのNHKでの放送の方が、私は面白いと思う。
演出家の山田和也氏がこの作品はシンプルにやりたいと言ったのは正解ではないだろうか・・
三谷氏が依頼したと言う今回の監督、星護さん。
確かにかっこいい映画でした。
窓からの光の差込も映画的だったし、
浅草の描き方も好きだ。
ポスターでのエンドロールもかっこいいし、
ただ、正直
主演者が端にずれたカットの取り方とかは鼻についてしまった・・・
なんか懲りすぎ・・みたいな感じで・・・
向坂高揚シーン(走り回るところ)はかっこよかったですね、確かに。差し込まれる警官姿がいい感じで盛り上がる盛り上がる
ただ、舞台でもあのシーンはハイライトで、
役者と台詞だけでおお盛り上がり、
映画だとあそこまでしなくてはならないのかな・・・素朴にそんな疑問もわく。
盛り上がりを伝えるのに、映像と言う手段まで総動員しなくてはならないのか・・・それが映画なんだろうか?そう思ってしまった。つくられた盛り上がりという感がある
「そんなことをしてもわざとらしいだけではないのかね?」
向坂ではないが・・・そういいたくなる・・・
あとひとつだけ不満なのは
「家に持ち帰りなんど読み返したものか・・・」
向坂が椿の台本を家や街中
いたるところで読み返して爆笑しているシーンがあるが
あの向坂は「笑いすぎ!!」
向坂の性格が一致していないと感じた、
向坂の笑いは「ふっ・・・」
っていう感じで、大口をあける笑いは似合わない。その前までの演技、取調室であのような笑い方がなされていたのなら、そんなに違和感はなかったかもしれないが、
それまでの映像ではひたすら笑いをこらえる
「ふふっ」という笑いなのに。
あの回想シーンでは大口を開けた馬鹿わらい・・・向坂の性格が破綻しているように感じ、正直ムッときた・・・
がはがは笑うだけがうけている証拠ではないと思う。少なくとも向坂の笑いかたはあのタイプではないと思う・・・
以上、思いつくままかいてみました。
パンフや『笑の大学のつくり方』をまだ読んでません。
読み終えて書き足すこともあるかもしれませんが。
とりあえずこんな感想です。
「舞台は越えていない、が映画としては一見の価値、大いにあり」
すくなくとも舞台を見ていない人には超オススメです!!

西村さんと近藤さん。
キャストを入れ替えて
椿を西村氏が。
向坂を
近藤さんが。
こちらのほうがはるかに見たかったです・・・私は・・・
「笑の大学」の創り方



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☆追記;
他の人の感想を読んでいると、舞台未見の方がけっこう多い・・・そりゃそうだろうけど・・・
そして舞台未見のかたのコメントはたいてい「よかった!!」「必見!!」ムードで、
舞台を見た人は「映画もなかなか成功していた」派と
「なぜ映画にしたんだーーむきーー」派と大別される。
中には舞台を見ていないのに「これは舞台の方が面白そう」という方もいてすごいと思う・・・私が舞台未見でこの作品を見ていたら、その思いには至らなかったっていうか、手放しで賞賛していた気がする・・・
舞台を見た私としては今回のような感想にならざるを得なかった、ほんとは好意的な感想をアップしたかったのだけど・・・だって「私は舞台みたのよっ」って感じで未見の方からすれば鼻につくじゃないですか?(むやみに敵は作りたくないですし・・・)
ほんとにあの舞台がしかも生で見ることが出来たのは幸せな体験だったと思います・・・
DVD化されるときはせっかくなので舞台版も収録すればいいのに・・・(出来ないかなそれは・・やっぱり・・・)ちなみにラジオドラマ版はどうだったのだろう・・・正直つまらなそうなのだが・・・
どうせならラジオドラマ版・舞台版・再演版・ロシア版までついたDVDを出してくれ?