いい日旅立ち

「もう。こんなところ耐えられないの・・・」
「そんなこと言わずにさ。出て行くなよ」
「この子達は、わたしが引き取ります」
「なぁ。もう一度考え直してくれよ」
「何を言われたって、わたしの心は変わらないわ・・・」
「おまえ・・・」
「さよなら・・・あなた・・お元気で・・・」
★●★●
そうして家をでた、わたしゆきじろう。
それもこれも、すべてにっくき!工事のせいだ!!
引越し決まったあとで、いきなり始まった工事。
アパートが傾いているらしく、
なんとアパートを水平にする!というとんでもない工事が始まったのだ。
今まで傾いているなんて、気がつかなかったよ・・・・
気が付かない程度なので、放っておいてもよかったのにさ。
せめてうちらが出て行ってから始めてくれよ・・・
皮肉なことに、工事の終了日が、うちらの「退去予定日」!
なんの嫌がらせなのか?これは!
工事の被害ばかりこうむり、なんの恩恵も受けないじゃないか〜〜!
ひどいよ。ほんとに。
日曜は工事やすみだけど、その他は朝8時半から午後5時半まで
削岩機の音!!!!!
しかも一階の部屋なので床下がうるさいうるさい。
そりゃ、ゆきじろう君もビビルってもんだよ。
★●★●
「帰っても、ゆきもつきもおらんき、さみしいばい・・・」
夫がもう寂しがっている
「ペットロスの予行演習と思って、乗り越えるよ・・・」
相当なダメージらしい。
帰宅後は「手を洗い」ゆきじろうくんと触れ合うのが日課の夫。
「帰っても、ゆきがおらんき、俺手を洗わんかったばい!」
なぜか誇らしげに言っている。
・・・・
手は洗えよ・・・