あの頃君は

若かった。
はしごの隙間をくぐりぬけるのが好きだったね。
下からくぐり、上からくぐり。
何度もくぐって遊んでたっけ。
いつからか、きつそうに通り抜けるようになって、
真ん中で詰まっていたこともあったね。
少しずつ大きくなっていってるんだな。
私はほほえましく君を見ていた。

今はもう通らないね。
はしごは上り降り専用になってしまった。

あの頃君は若かった。